ごとう司法書士事務所オフィシャルブログ

2017.10.04更新

人が会社を作る理由はいろいろです。

 

かっこいいから。

仕事をするなら会社でしょう。

何となく税金が安くなりそう。

 

どれも間違っていないと思います。

ところで、いろいろ設立理由がある中のひとつに、対外的な信用と事業の継続性があります。

 

ある人が個人で飲食店を開いて商売を始めます。

いわゆる個人事業主です。

夫婦で頑張ってうまくきりもりをして、売り上げも軌道に乗ってきました。

口コミで評判も広がり、雑誌の取材も受けました。

順調そのものです。

 

そんな時に、ある日突然、旦那さんが倒れてしまいました。

開業当初の無理がたたったのかもしれません。

 

この段階で銀行の融資を受けていたり、仕入れをしていた取引先は、この事態を取引の点からどう考えるでしょう?

 

毎月の返済はだいじょうぶかな?

売掛金は払ってもらえるのかな?

 

仮に、不幸にも旦那さんが亡くなってしまった場合、よりその懸念が現実味を帯びてきます。

個人でやっている限り、相続の問題になってしまうからです。

生前やっていたものは、旦那さん個人で借りていたり、取引をしているので、通常は負の遺産(旦那さん個人の借金)がある相続の形になります。プラスの財産も勘案して、相続人に相続放棄をされれば、連帯債務や保証人でもいなければ、回収不能となり、不良債権になってしまいます。

相続人がいるとしても、実際に返済してもらうまでに遺産分割等で時間がかかってしまうことが多いので、その間待っていられないこともあるでしょう。でも返済をしてもらうために自分で裁判をしますか。裁判をすれば、通常、時間とお金がかかります。こういうケースではいかに素直に払ってもらうかが大切で、感情的なものに流されないことも大切です(結果としての経済的な損得を考えることが大切)。この手の賢い解決策は、また別の機会があればお話ししたいと思います。

 

今回、仮に会社で旦那さんが社長としてお店を運営していたらどうでしょう。

わかりやすくするため、株式の相続の問題がなく(社長と株主が別人)、借金に保証人や連帯債務者等もいないと仮定すれば、事業はそのまま滞りなく続けることが十分可能です。

会社が借金をしているので、代わりに引き継ぐ人(代表取締役つまり社長)さえいれば、その人が代わりに売上を上げて返済すればよいだけです(社長の経営手腕の差は別として)。会社が借り入れや取引の当事者です。会社と社長はまったく別ものです。会社の借金は会社の借金であり、社長の借金ではありません。また会社は人ではないので相続も起こりません、起こるとすると個人株主の相続です。

上場会社のような大きな会社をイメージすれば、わかりやすいでしょう。

社長が体調不良で交代することはよくあります。

でも、次の社長さえ用意すれば、会社は問題なく続いていくものです。

そういう意味では会社は株主のものです。株主が社長を選び、実質的な経営をすることが可能なのです。

だから個人の大株主に相続が起きた時が大変なのです。この点も別の機会にお話しします。

 

起業したばかりの会社では、社長が100%株主の場合も多く、上記がそのまま当てはまらないかもしれませんが、会社と個人の基本的な関係性はおわかりいただけると思います。

 

また、会社を作るには費用たってかかります。

設立後、売り上げがなくても法人税を納める必要だってあります。

資本金だっていくらにしているかを見られます。

ようは、この事業に対していくら用意して、いくらつぎ込んでいるのかです。

 

どんな商売でも同じでしょうが、開業当初から軌道に乗せるまでが1番大変だと思います。

そんな中で、経営者の覚悟が試される場面はあると思います。

24時間、365日仕事のことを考えなくてはいけないことも多いでしょう。

プライベートな用事より仕事を優先させないといけないこともあるでしょう。

本気度を見るというのは、こうした状況に耐えうるかという判断材料にもなります。

人間は口で言うことより行動で評価されることが多いので、本気度が伝わる客観的な状況を示すことが大切かもしれません。

 

こうして考えると、会社を維持していくことは本当に大変ですね。

統計上も、設立後3年以内でほとんどの会社はなくなってしまう、もしくは、放置されてしまっているようです。

休眠会社は別として、活動してる会社が何年も存続していけることはすごいことです。

人を雇い、売上を上げて、税金を納めて利益を確保する。

自分で起業してみると、こういう意味での老舗会社の偉大さをしみじみ感じます。

 

次回は、具体的にどのような会社を作ればいよいかを法律と登記の観点からお話しします。

 

平成29年10月4日

 

 

 

 

 

 

 

投稿者: ごとう司法書士事務所